上水道管の特殊洗管(SCOPE工法)を実施致しました

今回は洗浄対象となる配水管路付近での給水栓で濁水が頻繁に発生する為に、その原因の特定と対策の為に委託されました。洗浄作業は管路内部を不断水式内視鏡カメラ(以下、内視鏡カメラ)で調査し、堆積物や菅内面付着物を確認した後、除去作業のために区間断水し”「SCOPE工法」を実施しました。

特殊洗管(SCOPE工法)

SCOPE工法における内視鏡カメラ調査
図1)事前内視鏡カメラ調査実施状況
図2)ランチャー設置状況

SCOPE工法では、まず既設の消火栓等の下にあるボール式補修弁から、内視鏡カメラにより管路内を調査しました。(図1)

そして、消火栓等の補修弁(ランチャー)から球形の軟質ウレタン樹脂(以下、PCボール)を投入して摩擦力と水流による洗浄洗管し、下流の消火栓等(キャッチャ)よりPCボールを回収しました。(図2)

最後に洗管後に再度内視鏡カメラ調査し洗管効果を検証致しました。

内視鏡カメラによる洗管効果の検証

事前内視鏡カメラ調査により管内部全体に付着物を確認しました
(図3)菅内状況 事前内視鏡カメラ調査
管内面の付着物の除去を確認。付着物の除去後にマンガンと考えられる色素沈着を確認
( 図3)菅内状況 事後内視鏡カメラ調査

事前の内視鏡カメラ調査で管内部全体に付着物を確認しました。(図3)洗管後は管内面の付着物の除去を確認しました(図4)。付着物の除去後にマンガンと考えられる色素沈着を確認しました。

管路全体に内面付着物が層となって存在しカメラ挙動により容易に剥離することで洗管前では視界不良が発生していましたが、洗管後には除去され視界不良も改善されました。付着物が除去されたことにより内面防食状態が健全であることも確認できました。

今回の洗管では軟質の錆並びに管内面付着物、堆積物が概ね除去され濁水発生要因の削減が出来たと考えます。

 

>>菅内状態ランク評価基準について (一社)全国水道管内カメラ調査協会

>>上水道管特殊洗浄工法(SCOPE工法)について

洗管前後の菅内比較映像

SCOPE工法による上水道管の洗浄

水道菅内不断水カメラ調査を実施しました

今回の調査は給水管より異物が検出、濁水が発生した為に配水管内の状態を調査し診断する為に委託されました。

水道菅内不断水カメラ調査(注1)は、水道水の起因による地域住民の健康被害、生活環境汚染を防ぎ、水道管の経年変化による管内堆積物や内面付着物及び既設管路の形状を内視鏡カメラで調査を行い、維持管理に必要な情報を得るとともにその効率を高めることを目的としています。

今回の調査は、既設の消火栓又は空気弁を利用して配水管内に内視鏡カメラを挿入し、指定した範囲の管、異形管及びバルブ類の内面の付着物の状況、夾雑物の堆積状況及び腐食状況等について確認するとともに、映像を記録するものでした。

調査の結果、一部管路では濁水の原因となるシールコート(注2)の剥離、管内面全周にわたっての付着物、堆積物を多く確認しました。

さらに(一社)全国水道管内カメラ調査協会の発行するガイドラインに準じて菅内評価(注3)を実施し今後の対策を提案しました。

今回の劣化シールコート、付着物、堆積物、夾雑物等の除去には特殊洗管工法(注4)を提案しました。また健全なシールコートを残しつつ、劣化したシールコート片を特殊洗管工法により除去することも可能です。

また、錆瘤は各異形管または消火栓下のT字管にありますが、これらの錆瘤の除去は漏水発生の恐れもある為、特殊洗管工法により表面を除去する程度に留め、その後経年監視を行うこと又は、局部更生を提案しました。

(注1)水道菅内不断水カメラ調査

導水管・送水管・配水管などの管内を、有圧状態・断水不要で確認できます。既存の地下式消火栓や空気弁の下に設置されているボール式補修弁(Φ75もしくはΦ100)からケーブルを押し込むことにより、管路内に内視鏡カメラを挿入します。補修弁がない・取り出し出来ない等の問題がある場合は、サドル分水栓(Φ50)を新設し挿入することができます。

>>水道菅内不断水カメラ調査

(注2)シールコート

ダクタイル鋳鉄管の内面には防食対策としてモルタルライニングが施されているがシールコートはモルタルライニングの表面に塗布された液状の塗料。昭和42年に、JWWA A107「水道用モルタルライニング鋳鉄管モルタルライニング」が制定され、原則としてシールコートを施すこととされ、昭和45年には、全てのダクタイル鋳鉄管にシールコート(塗膜厚は数30μm)が施された。(2006 國實誉治)

(注3)菅内評価基準について

一般社団法人 全国水道管内カメラ調査協会 (管路内面診断評価委員会)による診断基準。水道管内カメラ調査ハンドブック(2014.5)

>>菅内評価基準

>>一社)全国水道管内カメラ調査協会(管路内面診断評価委員会)

(注4)特殊洗管工法:SCOPE工法

SCOPE工法とは既設の消火栓等を活用し、超圧縮性の特殊PCボールを管内に投入し、下流の消火栓等から回収してその間を洗管する洗管工法です。

>>SCOPE工法とは

参考文献

1.國實誉治「配水管網における洗管調査に基づいた濁質発生量の推定」環境工学研究論文集・第43巻・2006 (Environmental Engineering Research. Vol. 43, 2006)

2.日本水道協会 水道維持管理指針(2016)

3.一般社団法人 全国水道管内カメラ調査協会 水道管内カメラ調査ハンドブック
(2014.5)

4.一般社団法人 全国水道管内カメラ調査協会 水道管内カメラ調査標準歩掛(2017)

5.シールコートの使用経緯について>>https://www.kubota.co.jp/product/ironpipe/support/pdf/seihin-012-01.pdf

 

 

参考動画

シールコート剥離状況

異形管の錆による閉塞状況


サドル分穿孔状況

 

滋賀県で特殊洗管(SCOPE工法)を実施しました

給水栓で鉄マンガン系の濁水が頻繁に発生する為に管内の洗浄を実施しました。洗浄作業は管路内部を不断水式内視鏡カメラ(以下、内視鏡カメラ)で調査し、堆積物や菅内面付着物を確認した後、除去作業のために区間断水し「SCOPE工法」を実施しました。本日の洗管路線は配水管VP ø75mmが600m程度の2路線で、断水時間は9時から15時まででした。

 

SCOPE工法
洗管作業中の状況(下流側)

>>上水道管特殊洗浄工法(SCOPE工法)について

全国水道管内カメラ調査協会の第8回定時総会が開催されました

平成30年6月21日に一般社団法人全国水道管内カメラ調査協会【事務局:神戸市中央区 会長:杉戸大作】の第8回定時総会が埼玉県さいたま市で開催されました。

管内カメラ調査協会とは管内カメラ調査を通じて水道事業の促進に寄与し、国民の生活環境の改善に貢献することを目的とする団体です。

来賓にさいたま市水道局長 八木澤修様、(株)日本水道新聞社代表取締役社長 篠本勝様、(株)水道産業新聞社代表取締役社長 西原一裕が臨席いただきました。さいたま市水道局長 八木澤修様から来賓祝辞を頂きました。

 

第8回水道管内カメラ協会総会 会長挨拶
第8回水道管内カメラ協会総会 会長挨拶

今年度より新会員として株式会社折本設備(神奈川県相模原市)、株式会社九州事業センター(福岡市南区)が入会されました。

総会では議案として平成29年度の事業・収支報告、定款変更、平成30年度の事業・収支計画が上程され審議・可決されました。

また報告事項としてカメラ調査標準歩掛について、認定カメラ技能講習会、管路内面診断評価委員会について、2018年IWA(国際水協会)世界会議・展示会、さらに福岡水道展への出展について報告されました。

続いて石川美直専門委員より「水道事業体における管内カメラ調査事例」を講演があり、名古屋市上下水道局の実施している~安全でおいしい水道水プロジェクト~について配水管内カメラ調査と配水管内クリーニングの事例紹介がありました。

 

石川専門委員 講演
石川専門委員 講演

総会終了後には懇親会が開催され会員及び来賓の親睦を深めました。

 

懇親会 堀内厚生顧問
懇親会 堀内厚生顧問
懇親会 杉戸会長
懇親会 杉戸会長
懇親会 小泉明特別会員
懇親会 小泉明特別会員

>>講演会資料 水道事業体における管内カメラ調査事例
>>(一社)全国水道管内カメラ調査協会 公式ホームページ
>>管路内面評価委員会 第1回開催報告 第2回開催報告

関連Blog

>>水道管内カメラ調査の積算歩掛について
>>水道管内不断水カメラ調査について
>>全国水道管内カメラ調査協会の第7回総会が開催されました

 

水道産業新聞に当社の所属する「全国漏水調査協会」の設立30周年記事が掲載されました

水道産業新聞 2018年6月11日に当社の所属する「全国漏水調査協会」の設立30周年記事が掲載されました。

>>>全国漏水調査協会 HP
>>>水道産業新聞 2018年6月11日「~有収率の維持・向上に貢献~全国漏水調査協会が設立30周年 さらなる飛躍へ」

 

水道管内カメラ調査の積算歩掛が作成されました

当社が所属する(一社)全国水道カメラ調査協会[本部:神戸市中央区、会長:杉戸大作]が水道管内カメラ調査の積算の標準歩掛を作成しました。

標準歩掛は協会に所属する各社の調査施工例をベースに、厚生労働省の「水道施設整備費に係る歩掛表」、国土交通省の「公共設計労務単価」及び「設計業務委託等技術単価」を参考にまとめています。

水道管内カメラ調査は新しい技術ですが、次第に認識され見積・施工依頼が増加するにつれて公正かつ迅速な積算を可能にする標準歩掛が必要となっておりました。そこで平成28年12月から全国水道カメラ調査協会で「積算検討委員会」を設置し会員や水道専門家の意見を聴収し作成したものです。

当社の積算においても公正かつ迅速な積算に役立てていきたいと考えております。

>>平成29年度水道管内カメラ調査標準歩掛(PDF)
>>一般社団法人全国水道管内カメラ協会

 


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>>blog 水道管内カメラ調査を実施いたしました

 

漏水対策は調査から監視へ

当社は主要配水幹線や老朽化により漏水の頻発する管路に漏水検知センサーを設置して定期的に巡回して漏水監視をしています。それにより漏水を早期に検知し断水事故や経済損失を削減することができます。 “漏水対策は調査から監視へ” の続きを読む

人工衛星による水道管の漏水探査について

先日、イスラエルのベンチャー企業「UTILIS」の日本の代理店「サンテック」*の本多さんとお会いしました。

UTILIS社とは衛星による水道管路の漏水探査するクラウドサービスを提供しているベンチャー企業です。この会社の提供する技術サービスは水資源関連のベンチャー企業の支援機関 ImagineH2O の2017年度最優秀賞を受賞しました。

その技術は人工衛星による惑星の地表面の探査技術に基づいているとのことです。地下数メートルに到達するマイクロ波を利用して地下の水道管からの漏水による地下の誘電特性の違いにより漏水を判定するということです。漏水探査手順は、

①スペクトル衛星画像を取得
②画像の放射分析修正(跳ね返りのフィルター修正)
③Utilisによるアルゴリズム解析(漏水による電気伝導率、スペクトル分析)
④WEBに基づいた地理情報システム(GIS)で漏水箇所を報告
⑤GISの漏水箇所に基づき現地の漏水調査チームがピンポイントに特定

ということです。

3,600平方キロメートル(60× 60㎞)同時に漏水探査するこの技術は夢のような技術です。もし確立されれば地下に埋設されて発見が困難な地下漏水を人工衛星やドローンで一瞬で発見できるのでしょうか。現在、世界中の都市水道で深刻な問題となっている漏水問題と水問題の解決に大いに貢献するに違いありません。

>>ImagineH2O
>>Utilis
>>㈱デサンテック

>>blogAIによる水道管漏水特定の実証記事について

*後に日本総代理店は ジャパントゥエンティワン(豊橋市)に移行しました。

全国漏水調査協会の総会が開催されました

6月9日に東京の市ヶ谷で当社の所属する全国漏水調査協会の総会が開催されました。

総会では前年度の事業報告と今年度の事業計画が審議されました。また、築山会長が4年の任期を終え今年度から古賀一典(㈱ライフライン)が新会長に今若博行(㈱西日本水道センター)が副会長に選任されました。

会員動向につきまして正会員3社(ジオサーチ㈱、㈱折本設備、㈱ウォーターサポート)と賛助会員1社(フジテコム㈱)の新規会員と2社の退会があり会員総数は23社となりました。

翌日には東京都水道歴史館(文京区本郷2-7-1)を見学し東京都の江戸時代から現代までの、江戸・東京の水道の歴史知ることができました。その後に水戸黄門ゆかりの名園で国の特別史跡及び特別名勝に指定されている小石川後楽園を散策しました。

 

総会の模様
総会の模様
東京都水道歴史観の見学
東京都水道歴史観の見学

 

>>>全国漏水調査協会

全国水道管内カメラ調査協会の総会が開催されました

5月30日に当社の所属する(一社)全国水道管内カメラ調査協会の7回総会が金沢市で開催されました。会場には来賓として、開催地からは金沢市企業管理者代理の上野部長、当協会の堀内厚生元名古屋市収入役・元水道事業管理者、特別会員の首都大学東京都市環境学部・小泉明特任教授、京都大学大学院・伊藤禎彦教授ほか会員など52名が集まりました。

総会では決算、予算を審議し、役員改選では(株)栗本鐵工所を理事に選任いたしました。事業計画における報告事項では主に以下の項目が決められました。

不断水カメラ調査の標準歩掛を作成

積算検討委員会がまとめた不断水式管内カメラ調査の標準歩掛を厚生労働省、日本水道協会に意見を頂き、当協会の標準歩掛りとすることを決めました。

カメラ映像で管内の評価を研究へ

管内カメラの映像から管内情報を分析する研究を再開するため「管路内面診断評価委員会」(委員長・小泉明首都大学東京特任教授)を立ち上げることを決めました。

>>一般社団法人全国水道管内カメラ協会
>>blog 水道管内不断水カメラ調査