学校施設で揚水管1kmの漏水調査を実施

大阪の学校施設で水道管(揚水管)の口径100mmで距離が約1kmでの0.5リットル/分程度の微量漏水をピンポイントに特定しました。今回は通常の音聴調査では発見が難し為にトレーサー工法を採用しました。

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施設内の漏水調査について

先日、徳島市内の公園の漏水調査をしました。水道菅の漏水は地下や床下など、目に見えないところで発生していたために場所の特定が非常に困難です。漏水の特定は漏水により発生している音を探知し行いますので、発見には非常に高度な技術が必要になります。漏水調査の依頼を受けると次のような手順で位置を特定します。

 

音聴調査(漏水探知機)
音聴調査(漏水探知機による漏水音の探知)
音聴調査(漏水位置の特定)
音聴調査(漏水位置の特定)
漏水確認調査(音聴棒)
漏水確認調査(音聴棒で漏水噴出音を確認する)
漏水確認調査(音聴棒の原理)
漏水箇所の確定

1.現場下見調査

調査に先立ち調査区域の給水管図面と現地の管路、弁栓類の位置確認有無等も同時に確認し、調査対象となる水道の施設全般を把握します。

2. 弁栓音聴調査

弁栓類(蛇口・バルブ等) 直接に音聴棒を当て音聴し、給水管上での漏水音(漏水疑似音)の発見も行う作業です。

3.音聴調査

地下に埋設された水道管の漏水によって発生する振動音を漏水探知器によって検出し、路面上にて 漏水箇所を探知しました。

4.漏水確認調査

音聴調査で発見され、あらかじめ路面上にポイントさ れた地点を図のように調査します。ボーリングバー・ハンマードリルなどにより漏水箇所を確定します。

発見した漏水擬似音については、漏水であるか音聴棒により漏水の噴出音により確認をします。漏水位置については、マークして明示したのち、報告書を提出いたします。

今回は漏水場所が限定されていた事もあり、漏水探知器を使用し漏水箇所の 特定を行いました。 排水に流れている水量を見ても水道管の継手が抜けかけている様な状態でした。早期に漏水発見、修理を行う為には検針時の水道使用量を定期的に確認する必要があるように思われます。

>>>漏水かな?と思ったら

水道産業新聞に当社の所属する「全国漏水調査協会」の設立30周年記事が掲載されました

水道産業新聞 2018年6月11日に当社の所属する「全国漏水調査協会」の設立30周年記事が掲載されました。

>>>全国漏水調査協会 HP
>>>水道産業新聞 2018年6月11日「~有収率の維持・向上に貢献~全国漏水調査協会が設立30周年 さらなる飛躍へ」

 

漏水対策は調査から監視へ

当社は主要配水幹線や老朽化により漏水の頻発する管路に漏水検知センサーを設置して定期的に巡回して漏水監視をしています。それにより漏水を早期に検知し断水事故や経済損失を削減することができます。 “漏水対策は調査から監視へ” の続きを読む

人工衛星による水道管の漏水探査について

先日、イスラエルのベンチャー企業「UTILIS」の日本の代理店「サンテック」*の本多さんとお会いしました。

UTILIS社とは衛星による水道管路の漏水探査するクラウドサービスを提供しているベンチャー企業です。この会社の提供する技術サービスは水資源関連のベンチャー企業の支援機関 ImagineH2O の2017年度最優秀賞を受賞しました。

その技術は人工衛星による惑星の地表面の探査技術に基づいているとのことです。地下数メートルに到達するマイクロ波を利用して地下の水道管からの漏水による地下の誘電特性の違いにより漏水を判定するということです。漏水探査手順は、

①スペクトル衛星画像を取得
②画像の放射分析修正(跳ね返りのフィルター修正)
③Utilisによるアルゴリズム解析(漏水による電気伝導率、スペクトル分析)
④WEBに基づいた地理情報システム(GIS)で漏水箇所を報告
⑤GISの漏水箇所に基づき現地の漏水調査チームがピンポイントに特定

ということです。

3,600平方キロメートル(60× 60㎞)同時に漏水探査するこの技術は夢のような技術です。もし確立されれば地下に埋設されて発見が困難な地下漏水を人工衛星やドローンで一瞬で発見できるのでしょうか。現在、世界中の都市水道で深刻な問題となっている漏水問題と水問題の解決に大いに貢献するに違いありません。

>>ImagineH2O
>>Utilis
>>㈱デサンテック

>>blogAIによる水道管漏水特定の実証記事について

*後に日本総代理店は ジャパントゥエンティワン(豊橋市)に移行しました。

全国漏水調査協会の総会が開催されました

6月9日に東京の市ヶ谷で当社の所属する全国漏水調査協会の総会が開催されました。

総会では前年度の事業報告と今年度の事業計画が審議されました。また、築山会長が4年の任期を終え今年度から古賀一典(㈱ライフライン)が新会長に今若博行(㈱西日本水道センター)が副会長に選任されました。

会員動向につきまして正会員3社(ジオサーチ㈱、㈱折本設備、㈱ウォーターサポート)と賛助会員1社(フジテコム㈱)の新規会員と2社の退会があり会員総数は23社となりました。

翌日には東京都水道歴史館(文京区本郷2-7-1)を見学し東京都の江戸時代から現代までの、江戸・東京の水道の歴史知ることができました。その後に水戸黄門ゆかりの名園で国の特別史跡及び特別名勝に指定されている小石川後楽園を散策しました。

 

総会の模様
総会の模様
東京都水道歴史観の見学
東京都水道歴史観の見学

 

>>>全国漏水調査協会

漏水調査研修に参加いたしました。

技術職員の中西です。先日、日本漏水調査システム協会主催の漏水調査研修(平成29年4月5日・6日)に参加いたしました。当研修は最新の調査機器の操作体験や専門家による講義を受講することにより、調査員の技術向上や漏水防止への更なる理解を目指すものです。

今回会場となった研修施設(徳島市内)は漏水調査技術者の育成を目的として昨年開設されたものです。本施設の特徴としましては、施設内に実際の水道管路に用いられる素材で配管を施し、擬似的な漏水を発生させることで、実際の現場でしか経験できない漏水の特定を体験できることが挙げられます。管種や口径、漏水量、路面の状態も複数用意されており、さらに施設内の水管橋では超音波流量計の試用・調整が可能です。

研修室での講義の様子
研修室での講義の様子
漏水探知機による漏水箇所の特定
管種による漏水音の違いを音聴棒を用いて体験

さて、今回の研修内容ですが、まず「漏水防止概論」と題して現在の水道事業の概要や水道施設の維持管理、漏水調査の現状と課題についての講義がありました。ここでは漏水調査の必要性ついて要約します。

・なぜ漏水調査が必要なのか
水道水の損失は財政を圧迫し、水道料金の値上がりにつながることがある。
水圧低下による出水不良など日々の生活と直結している。
浸水、地上に出た水によるスリップ事故、地中の空洞化による道路の陥没などの二次災害や管路内の水質汚染の恐れ。

続いて漏水調査技術と調査機器についての解説があり、基本から機器の応用法まで学びました。調査範囲を絞っていく方法についての説明は、限られた時間の中で漏水箇所を発見する必要がある場合には有効であると納得しました。

2日目は屋外のトレーニングフィールドで実技研修が行われ、相関式漏水調査、トレーサーガス式漏水調査、漏水探知機、音聴棒を用いて漏水箇所の特定を行いました。特に戸別音聴訓練はフィールドに設置された止水栓・水道メータを複数の音聴棒で聴き、管種による漏水音の違いを体験できる貴重なものでした。

音聴が困難な場合はトレーサーガス式漏水調査

漏水調査は漏水音を探知して漏水位置を特定します。現場周辺の騒音が大きすぎる、漏水があるのだけど微量で漏水音が小さい、また地表が土・草むらで漏水探知機による調査が難しい場合はトレーサーガス式漏水調査を行います。 “音聴が困難な場合はトレーサーガス式漏水調査” の続きを読む