漏水調査研修に参加いたしました。

技術職員の中西です。先日、日本漏水調査システム協会主催の漏水調査研修(平成29年4月5日・6日)に参加いたしました。当研修は最新の調査機器の操作体験や専門家による講義を受講することにより、調査員の技術向上や漏水防止への更なる理解を目指すものです。

今回会場となった研修施設(徳島市内)は漏水調査技術者の育成を目的として昨年開設されたものです。本施設の特徴としましては、施設内に実際の水道管路に用いられる素材で配管を施し、擬似的な漏水を発生させることで、実際の現場でしか経験できない漏水の特定を体験できることが挙げられます。管種や口径、漏水量、路面の状態も複数用意されており、さらに施設内の水管橋では超音波流量計の試用・調整が可能です。

研修室での講義の様子
研修室での講義の様子
漏水探知機による漏水箇所の特定
管種による漏水音の違いを音聴棒を用いて体験

さて、今回の研修内容ですが、まず「漏水防止概論」と題して現在の水道事業の概要や水道施設の維持管理、漏水調査の現状と課題についての講義がありました。ここでは漏水調査の必要性ついて要約します。

・なぜ漏水調査が必要なのか
水道水の損失は財政を圧迫し、水道料金の値上がりにつながることがある。
水圧低下による出水不良など日々の生活と直結している。
浸水、地上に出た水によるスリップ事故、地中の空洞化による道路の陥没などの二次災害や管路内の水質汚染の恐れ。

続いて漏水調査技術と調査機器についての解説があり、基本から機器の応用法まで学びました。調査範囲を絞っていく方法についての説明は、限られた時間の中で漏水箇所を発見する必要がある場合には有効であると納得しました。

2日目は屋外のトレーニングフィールドで実技研修が行われ、相関式漏水調査、トレーサーガス式漏水調査、漏水探知機、音聴棒を用いて漏水箇所の特定を行いました。特に戸別音聴訓練はフィールドに設置された止水栓・水道メータを複数の音聴棒で聴き、管種による漏水音の違いを体験できる貴重なものでした。