全国水道管内カメラ調査協会の総会が開催されました

5月30日に当社の所属する(一社)全国水道管内カメラ調査協会の7回総会が金沢市で開催されました。会場には来賓として、開催地からは金沢市企業管理者代理の上野部長、当協会の堀内厚生元名古屋市収入役・元水道事業管理者、特別会員の首都大学東京都市環境学部・小泉明特任教授、京都大学大学院・伊藤禎彦教授ほか会員など52名が集まりました。

総会では決算、予算を審議し、役員改選では(株)栗本鐵工所を理事に選任いたしました。事業計画における報告事項では主に以下の項目が決められました。

不断水カメラ調査の標準歩掛を作成

積算検討委員会がまとめた不断水式管内カメラ調査の標準歩掛を厚生労働省、日本水道協会に意見を頂き、当協会の標準歩掛りとすることを決めました。

カメラ映像で管内の評価を研究へ

管内カメラの映像から管内情報を分析する研究を再開するため「管路内面診断評価委員会」(委員長・小泉明首都大学東京特任教授)を立ち上げることを決めました。

>>一般社団法人全国水道管内カメラ協会
>>blog 水道管内不断水カメラ調査

水道管内不断水カメラ調査について

当社では、上水道管内の不断水カメラ調査を行っております。

導水管・送水管・配水管などの管内を、有圧状態・断水不要で確認できます。

 

不断水管内カメラ調査の活用例

◆不断水カメラ調査の概要

既存の地下式消火栓や空気弁の下に設置されているボール式補修弁(Φ75もしくはΦ100)からケーブルを押し込むことにより、管路内に内視鏡カメラを挿入します。

補修弁がない・取り出し出来ない等の問題がある場合は、サドル分水栓(Φ50)を新設し挿入することができます。

管内カメラ調査概略図

 不断水管内カメラ調査の特徴

 

◆カメラ調査手順(例)

1.ボール式補修弁を備えた消火栓

現状

2.補修弁を閉じ、消火栓を撤去します。

消火栓撤去

3.内視鏡カメラを挿入し、管内の映像を確認・記録します。

カメラ挿入

4.消火栓を元に戻し、補修弁を開けます。消火栓を少し開け、水が出ることを確認します。

消火栓復旧

 

◆調査実例

【平成28年度 徳島県内自治体】

施設内給水管の濁水原因特定のため5箇所を調査した結果、施工不良により発生した金属片の錆が堆積物として多く確認されたほか、内面シールコートの劣化(剥離や亀裂)も確認された。

 

錆の堆積物および内面の錆

rust3

シールコートの亀裂および剥離

sealcoat

 

【平成28年度 愛媛県 I事業所】

塗膜片の原因特定のため水管橋内部2箇所を調査した結果、問題となるほどの錆・堆積物・内面防食・付着物等は確認されなかった。調査箇所を限定するために回収したサンプルを成分分析し、対象となる管路を改めて調査することを現在提案している(サンプルがナイロンであれば鋼管部分を、シールコートであればダクタイル管部分を、配水地の防水塗料であれば配水地内を確認する等)。

 

※評価基準について

カメラ調査後に行う管内状態の評価は(一社)全国水道管内カメラ調査協会に準ずる。
管内劣化状況は錆の状態(発生・成長状況)、内面付着物、内面防食塗膜状況、堆積物、浮遊物の5項目とする。

評価の詳細につきましては、下記のPDFファイルをダウンロードし、ご覧になってください。

管内カメラ調査による管内面評価について (pdf)

 

上水道管特殊洗浄工法(SCOPE工法)について

■濁水(赤水、黒水など)でお困りではありませんか?

給水人口の減少などによる水道使用量の低下は管路内に滞留水を発生させ、管内に夾雑物を招き、やがては固着化して水質劣化を引き起こします。さらに、流速変化に応じて、夾雑物が給水管に流出して、濁水被害を及ぼす事故が最近多発しております。

濁水の原因は一般的に赤さび、マンガン付着物などですが、その他にシールコート片やスケール、砂・石のような堆積物が管内に滞留することがあります。
これらを除去することで本来の水質を回復し、さらには残留塩素の低減防御や出水不良の改善につながります。

■放水洗管の課題

現在の上水道の導・配水管で主に行われている、流速を利用した放水洗管は制約が少なく容易に作業ができますが以下の課題があります。

☑砂、小石等や管内面の付着物を取り残し、しばらくするとまた濁水が発生する。

☑洗管終了のタイミングを排水色や経験で確認している。

☑洗管後の管路内を確認できない

当社は安全に短時間に管路を洗浄する水道管内特殊洗浄(SCOPE工法)を提案しております。

■SCOPE工法とは

SCOPE工法とは既設の消火栓等を活用し、超圧縮性の特殊PCボールを管内に投入し、下流の消火栓等から回収してその間を洗管する非常に優れた洗管工法です。

○不断水内視鏡カメラを用いて洗管前後の管内の状況を確認

○管内面を物理的に洗浄することで堆積物・付着物を確実に除

 

SCOPE工法とは
管内カメラ調査とPCボールによる洗浄

■SCOPE工法の特徴

1.人体に無害なPCボール(軟質ウレタン樹脂製)を管に密着させ、摩擦力と水流による洗浄を行うので、異形口径、曲り、山越、伏越を含めて安全で強力な洗浄効果が得られます

2.既設消火栓・空気弁下の補修弁を利用するので土木工事不要(既設消火栓等が無い場合は、不断水割丁字管等を設置すれば洗浄可能)で

3.洗管前のカメラ調査で問題の場所と原因を特定し、洗管後のカメラ調査で洗管効果を目で確認できるので安心

4.洗管は1日1区間、断水は4時間以内

5.1日の最大洗管延長は2km(※断水時間・使用水量による)

6.挿入口径Ø75mmからØ200mmまで(Ø100からはØ400まで)最大本管口径はØ1,300mmまで洗管可能

SCOPE工法の施工手順

SCOPE工法は以下の“事前調査”と“洗管業務”と“事後検証報告”の3つの段階からなります。

 

SCOPE工法の洗管の仕組み

洗管対象管路は仕切弁にて区画し各区間内の戸別の止水栓を閉止いたします。ランチャー(消火栓や空気弁下のボール式補修弁などに設置)から投入したPCボールをキャッチャーで回収します。ボールの通過回数・硬度・外形寸法は現場の状況に応じて選択します。洗浄後の排泥は産業廃棄物として処理いたします。

SCOPE工法の洗管フロー図
SCOPE工法の洗管フロー図

 

■SCOPE工法ダイジェスト

洗浄前と洗浄後の映像

洗浄作業映像

■工法概要

□用途:送水管、配水管、導水管、工業用水、農業用水道など水道管の洗浄

□管種・管路:ダクタイル鋳鉄管、鋳鉄管、塩ビ管、配管用炭素鋼管(白管)、亜鉛メッキ鋼管など。曲管や伏せ越し通過数は制限なし、拡縮にも対応可能

□適用可能な口径:φ50~1000mmまで対応。φ300までなら補修弁からボール挿入可能

□洗管延長:最大延長2km程度。一日1~2区間を洗浄

□断水時間:概ね4時間以内

□PCボール:ウレタン樹脂製。管径より大きな径を使用。

□管内カメラ調査:不断水。掘削・切管工事不要。挿入箇所から最大100m(上流・下流とも)調査可能。石綿管以外の全管種に対応

■SCOPE工法の各種資料

詳細につきましては以下の資料をダウンロードし、ご覧になってください。

scope工法概要

水道管内カメラ調査を実施いたしました。

給水管内視鏡カメラ調査状況
調査状況
給水管内視鏡カメラ調査 管内状況
管内状況

今回の管内カメラ調査は給水時に濁水が発生するために施設内の給水管の内面状態を確認いたしました。調査の結果、給水時の濁水は配管の施工時の問題による鉄錆の可能性がありました。

NH-40
不断水内視鏡装置 ルミナス(NH-40)

《水道管内不断水カメラ調査とは》

当社の水道管内不断水カメラ調査は既設の消火栓やサドル分水栓から不断水で、カメラを挿入します。この装置を用いることで、断水を行わずに、管路内の状態、濁質の発生、内面腐食状況などがリアルタイムの映像で調査できます。通常の通水状態で調査が可能であるために様々な状況で活用可能です

○水道管路内の濁質原因調査
○管体・異形管の内面状況把握
○消火栓等のT字管縦管部の腐食状況調査
○仕切弁開閉状況の確認
○工事施工後の検査 等々

《水道管内不断水カメラ調査の特徴》

本調査は大口径管の調査が可能であり、既存の地下式消火栓や空気弁下のボール式補修弁を介してカメラを挿入するので工事が不要です。

◎不断水で圧力下の管路内の状況が確認可能(耐水圧1.0Mpa)

◎広範囲の口径の管路調査が可能(対象口径Φ75~800㎜)

◎既存の地下式消火栓や空気弁下のボール式補修弁を介してカメラを挿入するので工事不要(要補修弁径Φ75㎜以上)

◎ボール式補修弁がない場合、サドル分水栓(Φ50㎜コア無)を取り付ければ調査可能

◎上流・下流側それぞれ約35mの調査が可能(現場・管内状況等により変動有)