特殊洗管(SCOPE工法)を実施しました。

水道管は敷設工事後に時間が経つと管内面が劣化したり、付着物や堆積物が溜まる場合があります。水道管の洗浄作業を水道局から委託を受けました。

1.水道管の洗浄作業

水道管の洗浄作業は、水道管の工事を行った際に管内の消毒・洗浄を行うために実施するものと、水質保全を目的として、行き止まり管路、管内面塗装の劣化している箇所、水道水の滞留時間の長い箇所等、あらかじめ水質異常や給水障害が発生しやすい管路に対して実施します。今回の洗浄作業は、水道管内の付着物の除去を目的に実施いたしました。洗浄作業では水道菅内の付着物をより確実に除去する為に「SCOPE工法」で実施しました。

2.SCOPE工法とは

SCOPE 工法とは、内視鏡カメラと弾力性のボール(以下PCボール)を使った水道管路の洗管工法です。この工法では、消火栓、空気弁下の補修弁を利用して、水道管路内へ PC ボールを送りこみ、PC ボールと管内面の摩擦により洗管を行います。また、洗管前後に内視鏡カメラによる調査も行い洗管効果を確かめることができます。

3.通常の洗管との違い

現在の洗管は、消火栓やドレインからの放水により管路内の流速を早めて行う放水洗管が主に行われています。このような放水洗管では、比重の軽い付着物や堆積物は洗管可能ですが、マンガンやシールコート、砂や錆など比重の重い堆積物は取り残してしまう場合もあります。SCOPE 工法を使うことにより、比重の重い堆積物や付着物も PC ボールで押し出し洗管することが可能です。

4.SCOPE工法の特色

SCOPE工法は以下の特色があります。

○内視鏡カメラで調査することにより、洗管前後の状況が確認できる。
○既設の消火栓下のボール式補修弁を利用して、PCボールの送り出し、受け取りを行うため、掘削等の工事を伴わない。
○区間断水で洗管が行えるため、断水影響が少ない。
○管路における曲管や異形管、山越し伏せ越し等も問題なく洗管可能。
○洗管対象管路は、石綿管を除く全ての管種に対応。

5.SCOPE工法の手順

SCOPE工法は以下の“事前調査”と“洗管業務”と“事後検証報告”の3つの段階からなります。

 

SCOPE工法の手順のフロー図
SCOPE工法の施工手順

6.SCOPE工法の洗管の仕組み

洗管の手順は以下の図のようになります。洗管対象管路は仕切弁にて区画し各区間内の戸別の止水栓を閉止いたします。ランチャー(消火栓や空気弁下のボール式補修弁などに設置)から投入したPCボールをキャッチャーで回収します。ボールの通過回数・硬度・外形寸法は現場の状況に応じて選択します。洗浄後の排泥は産業廃棄物として処理いたします。

 

SCOPE工法の洗管フロー図
不断水内視鏡カメラによる事前・事後調査
SCOPE工法のキャッチャー
キャッチャーよりPCボールを回収する
SCOPE工法のPCボール
使用後のPCボールの状態
SCOPE工法による洗管中の濁水のサンプル
洗管中のボールが出る直前の最も濁っている水を採水。(左から一回目から2回目、3回目)

7.今回の洗管結果について

管路全体に内面付着物が層となって存在し、内視鏡カメラ挙動により容易に剥離することで洗管前では視界不良が発生していましたが、洗管後には除去され視界不良も改善されました。

付着物が除去されたことにより内面防食状態が健全であることも確認できました。今回の洗管では軟質の錆並びに管内面付着物、堆積物が概ね除去され濁水発生要因の削減に大いに役立つ結果を残せたと考えます。

 

>>>上水道特殊洗管工法(SCOPE工法)について
>>>不断水カメラ調査について