水道技術セミナーと阪神水道企業団 尼崎浄水場の視察に参加してきました。

技術営業の池田です。先日の1月16、17日の2日間の日程で兵庫県尼崎市で公益財団法人水道技術研究センター主催の技術セミナーに参加してきました。今回は第27回ということで「変化に対応した水道システムの構築」をテーマに 尼崎市中小企業センター でのセミナーと阪神水道企業団 尼崎浄水場の視察でした。

1月16日の水道技術セミナーでは最近の水道行政の動向から平成28年の熊本地震、阪神大震災の体験談など、興味深い内容ばかりでした。近年の水道事業を取り巻く状況は人口減少、水道料金収入減少、水道施設の老朽化、職員数の減少、さらには水道料金の原価割れなど厳しい状況になっており、特に小規模事業体はさらに深刻な状況にあるため、全国の22道府県で広域化に向けた検討が行われているとのことでした。

水道料金の国際比較
(図1)水道料金の国際比較(日本水道協会「水道統計(平成25年度)」「家庭料金/月10m3使用料金」より)
阪神水道企業団の尼崎浄水場
阪神水道企業団の尼崎浄水場(中央管理室)
オゾン発生器と高度処理水テイスティング
オゾン発生器と高度処理水テイスティング

セミナーでは水道料金で一部の事業者が原価割れをしており、持続可能な観点で適正な料金水準が望まれるとのことです。一般的に日本の水道は高品質かつ安価であるといわれており、(図1)のように日本の水道料金は他の国と比較すると平均値は、ニューヨークと同水準にあるものの、各国の主要都市と比較すると、比較的低水準になっていることが分かりました。

 

1月17日は阪神水道企業団の尼崎浄水場を見学に参りました。尼崎浄水場は、阪神地域における水需要の増加や淀川の原水の水質悪化などから、高度浄水処理技術の導入し更には耐震化施策を推進し、平成 17年より給水を始めた施設です。

高度浄水処理のオゾン処理においてはオゾンの強力な酸化作用を利用して、カビ臭や有機化学物質を分解します。オゾンは強力な消臭剤であり、残留オゾンを自動制御することにより、一定以上の消毒効果が期待できるとのことです。

尼崎浄水場では、より効果的なオゾン発生及び水質安定をめざし、酸素原料で高濃度オゾンを発生させ、下方注入式オゾン接触槽でオゾンを溶解・反応させる方式を採用しています。水に溶解しなかったオゾンは、排オゾン処理装置により酸素に還元し排気します。

浄水場内にあるピュアハウスで出来立ての高度処理水のテイスティングができました。