先日6月10日に「NPO法人 地域水道支援センター」の総会とセミナーに参加してきました。地域水道支援センター(CWSC)は高齢化や人口減少、海外においては貧困、技術不足などにより水の確保や運営が困難になっている地域の「小さい水道」をマネジメント、技術支、維持管理、学習・啓発を支援することにより、健全で自主的な持続可能な水道を実現しようというものです。
総会では平成28年度の報告と平成29年度の計画を審議があり、その後には小規模水道における粗ろ過・緩速ろ過についての実証試験についてのセミナー発表がありました。セミナーの一つは岩手県花巻市の岩手中部水道企業団の小又浄水場実証試験について瀬野守史 理事から、二つ目はJICAの支援を通じたフィジー、サモアでの緩速ろ過の実践について中本忠信 理事からの講演でした。
CWSCの技術支援の柱は粗ろ過・緩速ろ過法です。この技術は自然界の浄化機能に学び、水性微生物による分解活動を利用する「生物浄化法」で、浄水課程で薬品や電力を使わず、環境負荷やエネルギーコストの小さいろ過方法です。この技術は様々な規模、地形、水源などの条件に適用でき、また機械部分かほとんど無いために頻繁なメンテナンスの必要な膜ろ過法や、常に薬品補充が必要な急速ろ過法などよりも維持管理が比較的に容易です。
現在地域の人口減少や高齢化などが進み、保守や修繕など維持管理が自治体だけでは困難で、住民自らによる水道運営の必要性も出てきている中でこの様な技術も有効であると感じます。