「最近水道料金が高くなった…」「地面がいつも湿っている…」
もしかしたら、それは漏水かもしれません。漏水は、目に見えない場所で発生していることが多く、早期発見が重要です。漏水を放置すると、水道料金の増加や建物の劣化、地盤沈下などを引き起こす可能性があります。
今回は、神戸の大規模公園で行った漏水調査の事例をご紹介します。
漏水調査を依頼されたきっかけ
神戸の大規模公園から漏水調査のご依頼をいただいたきっかけは、水道料金の増加でした。「以前と比べて水道料金が明らかに高くなっている」というご相談を受け、調査を開始しました。
漏水調査の方法
今回の公園は高低差が大きいために数ヵ所に区域が分かれており、また植栽への灌漑と消火栓とトイレが何カ所もあり広範囲でしたので、以下の方法を用いました。
区域ごとの給水圧力及び流量測定
まずは、公園全域のを目視で漏水箇所がないかを確認しました。
庭や建物の周囲を歩き、地面に水が染み出ている箇所がないか、植物が異常に生い茂っている箇所がないかなどを調べました。また、各給水する区域での夜間の給水圧力と流量を測定しました。
全管路の音聴調査
専用の音聴棒や漏水探知機を用いて、地面から漏水音を聞き取ります。
音聴棒は、水道管に当てて伝ってくる漏水音を聴音し、漏水探知機は地中に埋まっている水道管の小さな漏水音を探知する機器です。水道管の継ぎ目やバルブ周辺は漏水が発生しやすい箇所なので、重点的に調査を行いました。
相関式漏水探知機
2つのセンサーで漏水音を拾い、その音の到達時間差から漏水箇所を特定する機器です。広範囲の漏水調査に有効で、ピンポイントで漏水箇所を特定できます。
トレーサー調査
配管内に安全なガスを注入し、漏水箇所からガスが漏れ出てくるところを検知する方法です。音聴では発見が難しい、地中深くの漏水箇所の特定に有効です。
発見された漏水箇所
今回の調査の結果、公園内のトイレに埋設されている水道管に亀裂が生じていることが判明しました。老朽化による配管の劣化が原因と考えられます。
修繕工事とその後
漏水箇所が特定された後、すぐに修繕工事を開始しました。
亀裂の入った水道管を新しいものに交換し、漏水が止まっていることを確認しました。修繕工事後、水道料金は正常に戻り、お客様にも大変喜んでいただけました。